読み方 : ティーけんてい
t検定【t-test】
概要

イギリスの統計学者ウィリアム・ゴセット(William S. Gosset)が20世紀初頭に提案した方法で、彼は研究成果を公表する際に「Student」という筆名を用いたため、この検定で用いられる分布は「Studentのt分布」と呼ばれる。
t検定では、標本から得られた平均値とばらつきの情報を用いて検定統計量を計算し、その値が偶然の変動として説明できる範囲にあるかどうかを評価する。標本数が少ない場合、母分散を正確に知ることができないため、標本から推定した分散を用いて平均の差を評価する必要があり、その際にt分布が用いられる。
実際の計算では、まず標本の平均値と分散を求め、平均の差をばらつきの大きさ(標準誤差)で割ることでt値と呼ばれる統計量を算出する。この値が大きいほど、観測された平均の差が偶然によって生じたとは考えにくくなる。標準誤差は標本平均の標準偏差であり、標本平均の値が母平均に対してどの程度ばらついているかを表す指標である。
t検定では「自由度」と呼ばれる概念も重要である。自由度とは、独立して変化できるデータの数を表す統計的な指標であり、単一の標本平均を扱う場合には通常、標本数から1を引いた値が自由度として用いられる。自由度の大きさによってt分布の形状が変化するため、検定の結果にも影響を与える。
t検定にはいくつかの種類がある。一つの集団の平均が特定の値と異なるかを調べる「一標本t検定」、二つの独立した集団の平均を比較する「独立二標本t検定」、同じ対象を条件の前後で比較する「対応のあるt検定」などであり、検定の目的に応じて使い分けられる。