読み方 : アイピーコマンド
ipコマンド【ip command】
概要
ipコマンドとは、Linuxで標準的に利用されるコマンドの一つで、ネットワークインターフェースやIPアドレス、経路情報などの設定や状態確認を行うもの。従来のifconfigやrouteに代わる標準的な管理ツールとして、主要なLinuxディストリビューションに組み込まれている。

基本的な書式は「ip オブジェクト サブコマンド」という形式である。オブジェクトとは操作対象を指し、「link」はネットワークインターフェース、「addr」はIPアドレス、「route」は経路情報を意味する。目的に応じてオブジェクトを使い分けることで、一つのコマンドで多様な操作を行える。
具体的には、「ip addr show」でIPアドレスの一覧を確認でき、「ip route show」で経路情報を表示できる。設定変更にも対応しており、IPアドレスの追加や削除、インターフェースの有効化・無効化、経路情報の登録や削除なども実行可能である。IPv4とIPv6の双方を扱える。
ipコマンドで行った変更は一時的に反映されるだけで、システムを再起動すると失われる。恒久的に設定を変更したい場合には、システム内の各種設定ファイルの編集や、「NetworkManager」「systemd-networkd」といった各ディストリビューションのネットワーク管理機能を利用する必要がある。
ipコマンドは「iproute2」というパッケージに含まれており、経路制御を担うtcコマンドなど、複数のコマンドがひとまとまりのツール群として提供されている。かつてのLinuxでは、ifconfigコマンドやrouteコマンド、arpコマンド、netstatコマンドといった機能ごとに分かれたコマンド群が使われていたが、これらは操作方法が統一されておらず、ネットワーク名前空間や仮想デバイスといったカーネルの新機能にも十分対応できなかった。これらの機能の多くがipコマンドへ一本化され、現在では旧来のコマンド群は非推奨とされている。
(2026.7.18更新)