読み方 : アイデント
ident【Identification Protocol】

サーバ側がクライアントからのTCP接続を受け付けた際、そのクライアントの113番ポートに対して「この接続を開いたのはどのユーザーか」と問い合わせる。クライアント側でidentデーモン(identd)が動作していれば、該当するTCPコネクションに対応するローカルユーザーのアカウント名を平文で返答する。サーバはこの情報をログに記録したり、アクセス制御の参考情報として利用したりできる。
1980年代初頭に策定された古いプロトコルで、当時のUNIX系OSで動作するIRC(Internet Relay Chat)サーバやFTP(File Transfer Protocol)サーバなどで接続元ユーザーの特定に利用していた。IRCでは接続時にidentの問い合わせを行い、応答がない場合はユーザー名の先頭に「~」を付けて区別する実装が一般的だった。
identプロトコルにはいくつかの制約がある。返答されるユーザー名はクライアント側のシステムが申告するものであり、サーバ側からその正確性を検証する手段はない。NATやファイアウォール環境では問い合わせ自体が届かないか、NAT装置が代わりに応答するケースもある。ユーザー認証の用途に用いることは適切でなく、RFC 1413自身も認証目的には使用しないよう忠告している。