読み方 : ビッグリトル

big.LITTLE

概要

big.LITTLEとはCPUの設計手法の一つで、処理性能を重視した高性能コア(big)と、消費電力の低さを重視した高効率コア(LITTLE)を組み合わせ、処理内容に応じて使い分けることで性能と省電力性を両立させる方式。英アーム(ARM)社が開発し、スマートフォンなどモバイル機器のCPUで広く採用されている。
big.LITTLEのイメージ画像

動画編集やゲームのような負荷の大きい処理はbigコアが担当し、メール確認や待ち受け画面の表示のような軽い処理はLITTLEコアが担当する。オペレーティングシステム(OS)のスケジューラが処理内容を判断してコアへ割り当てるため、利用者やアプリケーション開発者が切り替えを意識する必要はない。

限られたバッテリー容量で高い処理能力を求められるモバイル機器では、常に高性能なコアだけを動かすとバッテリーの消耗が早まる一方、省電力なコアだけでは負荷の大きい処理に対応できない。big.LITTLEは、このような性能と電力消費のトレードオフを解消するために考案された方式で、必要な場面でのみ高い性能を発揮させることでバッテリーの消耗を抑えている。

コアの組み合わせ方にはいくつかの実装方式がある。初期の方式は、同じ数のbigコア群とLITTLEコア群のどちらか一方だけを動作させる方式だった。その後、両方のコア群を同時に稼働させ、並列に処理を分担する方式へと発展した。負荷の変化に応じてコアごとに細かくタスクを移動させる制御技術も進歩している。

近年のスマートフォン向けチップでは、超高性能コアや高効率かつ高性能なコア、省電力コアという複数種類のコアを1つのチップに搭載し、アプリの利用状況に応じて処理を細かく割り振る構成も一般的になっている。こうした異種のコアを1つのチップに集積して処理を振り分ける方式は「ヘテロジニアスマルチコア」と呼ばれる。この考え方自体は他社も採用しており、米インテル(Intel)社では近年のx86系CPUの設計で性能重視の「Pコア」と電力効率重視の「Eコア」を組み合わせている。

(2026.7.23更新)
 
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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