読み方 : コストリーダーシップせんりゃく

コストリーダーシップ戦略【cost leadership strategy】

概要

コストリーダーシップ戦略とは、業界内で最も低いコスト構造を実現することで競争優位を確立しようとする経営戦略。マイケル・ポーター(Michael Porter)氏が1980年の著書『Competitive Strategy』(邦題:競争の戦略)で提唱した三つの基本戦略のうちの一つである。
 コストリーダーシップ戦略のイメージ画像

この戦略の核心は、競合他社よりも低いコストで製品やサービスを提供できる体制を構築することにある。低コストを実現する手段としては、大量生産による「規模の経済」(スケールメリット)の追求、製造工程の自動化や効率化、流通チャネルの簡素化などが挙げられる。コストを下げた分を価格引き下げに充てて販売数量を増やすこともできるし、競合と同水準の価格を維持して利益率を高めることもできる。

具体的な事例として米航空業界のサウスウエスト航空が挙げられることが多い。同社は機材を単一機種に統一して整備コストを削減し、機内食の廃止や直販比率の向上による中間マージンの排除などで徹底的にコストを抑えた運営モデルを構築した。小売業ではウォルマートが大規模な物流網と仕入れ交渉力によって低価格販売を実現した例として知られている。

この戦略が有効に機能するには、コスト削減の取り組みを継続的に推進し、競合が同水準のコスト構造に追いつく前に優位性を維持し続ける必要がある。コスト削減を追求するあまり品質や顧客サービスが著しく低下すると顧客離れを招くリスクもある。また、この戦略は通常、業界全体を対象とした広いターゲットを前提とするものであり、特定のセグメントに絞るポーターの「集中戦略」とは区別される。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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