Work IQ
概要

Work IQは、データ層、コンテキスト層、スキル・ツール層という3つの層で構成される。業務データを意味的に索引し、利用者の役割や組織内の関係性、業務のパターンと結び付けたうえでAIに渡す部分と、取得した情報を基に実際の操作を行う部分に分かれている。
例えば、来週の会議の準備を尋ねると、予定表やチャット、議事録から関連データを集め、質問に的確に答えたり資料を自動作成したりできる。汎用的なAIチャットが一般論しか返せないのに対し、Work IQを介したCopilotは利用者固有の業務文脈を反映した応答を返すことができる。
構成要素としては、AIとの対話を担うチャット、組織内の情報をAIが扱える形に整理するコンテキスト、Microsoft 365上のデータ取得や操作を行うツール、複数の手順を要するエージェント処理のための作業環境であるワークスペースがある。これらを組み合わせることで、単純な検索を超えた複雑な処理にも対応できるようになっている。
権限管理においては、組織のデータへのアクセスを一元的に制御する仕組みが備わっている。数百もの静的な権限に個別に依存する代わりに、少数の広いアクセス許可で大枠の境界を定め、詳細な条件は別のポリシーエンジンが要求ごとに判定する。操作はすべて特定の利用者の権限範囲内で実行されるため、既存のアクセス制御を保ったまま機密情報を扱う場面でも利用できる。
Work IQは2025年11月のMicrosoft Igniteで発表され、2026年6月にはWork IQ APIが一般提供された。これにより、Microsoft 365以外のエージェントやアプリケーションからも、A2A(Agent to Agent)やMCP(Model Context Protocol)、RESTなどの標準的な方式を通じて組織の業務コンテキストを利用できるようになっている。