読み方 : ウェブジーピーユー
WebGPU
概要

従来、Webブラウザ上の3D描画には主に「WebGL」が用いられてきたが、その基盤は2007年頃の古い仕様であり、現代のGPUが持つ機能を十分に引き出せない面があった。WebGPUはこうした制約を解消するため、新たに設計し直されたAPIである。
WebGPUでは、ブラウザ上のJavaScriptからGPUを操作し、GPUメモリ上にバッファやテクスチャを作成して処理を実行する。描画や計算の命令をまとめてGPUへ送ることでCPUとGPUのやり取りが効率化される。「Vulkan」「Direct3D」「Metal」といった現在主流のグラフィックスAPIに近い設計となっており、無駄な処理を抑えて高い性能を発揮できる。
WebGPUの登場には、スマートフォンやパソコンのGPU性能が急速に向上する中、共通のプラットフォームであるブラウザ上でその能力を最大限に引き出す必要が生じたという事情がある。Web標準を定めるW3Cの「GPU for the Web」作業部会が標準化を進めており、2026年には勧告候補草案の段階まで進展した。同年1月にはFirefoxもWebGPUを標準で有効化し、主要ブラウザすべてで対応が完了している。
利用分野としては、Webブラウザ上で動く3Dゲーム、建築や工業製品の3Dビューア、地図の立体表示、CAD、映像編集などがある。近年では音声認識や画像生成といったAIモデルの推論をサーバに送信せず端末内で完結させる用途にも採用が進んでおり、高性能なWebアプリケーションを支える基盤技術として利用が広がっている。
(2026.7.27更新)