読み方 : ダブリュービーエスじしょ

WBS辞書【WBS dictionary】

概要

WBS辞書とは、プロジェクトの作業分解構造であるWBSの各要素について、その内容や範囲、担当者などの詳細情報を説明するための補足文書。WBSの各作業項目の意味を明確にし、関係者間の認識を統一するために用いられる管理資料である。
WBS辞書のイメージ画像

WBSWork Breakdown Structure)はプロジェクトの全作業を階層的に分解した図表であり、プロジェクトの全体像を把握するために作成される。しかし、WBSだけでは各作業要素の名称と構造しか示されず、それぞれの作業が具体的に何を指しているのか、誰が担当するのか、どのような条件を満たせば完了とみなされるのかといった詳細は読み取れない。

WBS辞書はこの不足を補う文書で、WBS本体と組み合わせて使用することで初めてプロジェクトの作業範囲が完全に定義される。記載される主な情報としては、作業要素の識別コードや名称、作業内容の詳細な説明、担当者または担当組織、スケジュール上のマイルストーン、必要なリソース、コストの見積もり、品質基準、完了条件などが挙げられる。プロジェクトの規模や性質によって記載項目は異なるが、関係者が作業の内容と境界を共通認識として持てる水準の情報量が求められる。

WBS辞書が特に重要となるのは、複数の部門や業者が関与する大規模プロジェクトの場面である。作業の定義が曖昧なまま進行すると、担当範囲の重複や抜け漏れが生じ、後になって責任の所在をめぐる混乱が起きやすい。WBS辞書によって各作業要素の境界と完了条件を明文化しておくことで、こうしたトラブルを未然に防ぐことができる。

資格試験などの「WBS辞書」の出題履歴

▼ ITパスポート試験
令3 問54】 WBSを作成するときに、作業の記述や完了基準などを記述した補助文書を作成する。この文書の目的として、適切なものはどれか。
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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