読み方 : ブイピーナイン

VP9

概要

VP9とは、米グーグル(Google)社が2013年に公開した動画圧縮コーデックライセンス料が不要なオープンな仕様として設計されており、主にWeb上での動画配信などで普及している。
VP9のイメージ画像

前身の「VP8」と比べ、同等の画質を約半分のデータ量で実現でき、H.264(MPEG-4 AVC)と比較しても圧縮効率が高いとされる。ファイルに保存する場合のコンテナ形式は「WebM」が標準的に用いられ、「Matroska」形式にも格納できる。音声コーデックとしては「Opus」や「Vorbis」と組み合わせて使うことが多い。

同社のGoogle Chromeをはじめ、FirefoxMicrosoft Edgeといった主要なWebブラウザはVP9の再生に標準で対応している。Safariでの対応は2020年と出遅れ、iOSやmacOSでは自由に使えない時代が長かった。同社が運営する動画投稿サービス「YouTube」では2014年ごろからVP9による動画配信を本格的に導入し、4K解像度や8K解像度の高画質動画の配信にも使用されている。

圧縮技術としては、フレーム内の差分を効率的に符号化する「イントラ予測」と、フレーム間の動きを追跡して差分圧縮する「インター予測」を組み合わせている。画面全体をタイル状に分割して並列処理することができ、高解像度映像のエンコードデコードを複数のプロセッサコアで分担して高速化できる設計になっている。

同社による後継規格として「AV1」が2018年にリリースされており、VP9よりさらに高い圧縮効率を持つ。AV1の普及が進むにつれ、新規コンテンツへのVP9採用は徐々に置き換えられつつあるが、既存のインフラや端末との互換性からVP9が引き続き使用される場面も多い。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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