VLANタグ【VLAN tag】
概要

VLANは、1台の物理スイッチ上に複数の論理的なネットワークを構成する技術である。異なるVLAN間はブロードキャストドメインが分離されており、同じスイッチに接続されていても、別VLANの機器とは直接通信できない。
スイッチが複数のVLANを扱うには、フレームがどのVLANに属するかを識別する仕組みが必要である。VLANタグはその手段であり、フレームの送信元MACアドレスとタイプフィールドの間に4バイトのデータを挿入する。
4バイトのうち先頭2バイトは「TPID」(Tag Protocol ID)と呼ばれる固定値で、受信側の機器はこの値によってフレームにVLANタグが付いていることを認識する。残り2バイトのうち12ビットが「VLAN ID」であり、1から4094までの番号で所属VLANを示す。残る3ビットは「CoS」(Class of Service)と呼ばれる優先度情報で、音声や映像など遅延に敏感なトラフィックを優先処理するQoS(Quality of Service)制御に使われる。
VLANタグが付いた状態でフレームが流れるリンクを「トランクリンク」(trunk link)と呼び、スイッチ間の接続や複数のVLANを扱うサーバとスイッチの接続に用いられる。一方、パソコンなど末端の機器とスイッチを繋ぐ「アクセスリンク」(access link)では、スイッチがフレームの送受信時にVLANタグの付与と除去を自動的に行うため、端末側ではVLANの存在が意識されない。
VLANタグを扱う機能は現代のL2スイッチやL3スイッチにほぼ標準で備わっており、企業などの組織内ネットワークでの部門間の通信の分離やセキュリティポリシーの適用、データセンターでの仮想マシンのネットワーク分割などに利用されている。IEEE 802.1Qとして仕様が標準化されているため、異なるメーカーの機器間でも相互接続が可能である。