読み方 : ユーエスディーエム
USDM【Universal Specification Describing Manner】
概要

日本のソフトウェア開発現場における要求仕様の曖昧さや抜け漏れを解消する手法として広まった。要求仕様書がテスト設計や実装の根拠として機能しないという実務上の問題意識から生まれており、要求とその根拠、具体的な動作条件を一体で記述することで、後工程との整合性を高めることを目的としている。
記述の基本単位は「要求」「理由」「仕様」の三段構成である。「要求」はシステムに求める機能や性質を簡潔に述べる。「理由」はその要求が存在する根拠やビジネス上の目的を記す。「仕様」は要求を満たすためにシステムが具体的にどう振る舞うかを条件付きで記述し、「〜の場合、〜する」という形式で書くことが推奨される。理由を明記することで、要求の解釈のブレを防ぎ、仕様変更が生じた際に影響範囲を判断しやすくなる。
要求と仕様を階層化することも認められており、上位の要求を複数の下位仕様に展開して詳細化できる。この階層構造により、顧客の業務要求から画面や処理、データの具体的な振る舞いまでを一貫したドキュメントとして表現できる。
実務上はMicrosoft Excelのワークシートなどの上にUSDMの表形式を作成して運用するケースが多いとされる。要求ごとに行を設け、要求番号、要求内容、理由、仕様を列として並べる。テスト設計との対応付けも要求番号を使って行われ、どの仕様に対してどのテストケースが対応するかをトレーサビリティマトリクスとして管理する運用と組み合わせて使われる。