TrustedInstaller
概要

TrustedInstallerはWindowsの権限体系の中で最上位に位置しており、管理者(Administratorアカウント)より上位の存在として扱われている。Administratorであっても、TrustedInstallerが所有者に設定されたシステムファイルは変更も削除もできない。
TrustedInstallerはユーザーやグループとして実在するわけではなく、「Windows Modules Installer」というサービスのアカウントである。ユーザー管理の画面を参照してもその名前は表示されない仕組みになっており、設定や権限などの表示や変更もできない。
実体は「C:¥Windows¥servicing¥TrustedInstaller.exe」という実行ファイルであり、必要な場面でのみ起動し、処理が終わると停止する。このサービスを無効化すると、Windows Updateやオプション機能の追加・削除が正常に行えなくなる場合がある。システムファイルやレジストリキーを変更できる正規の経路は、サービスパックや修正プログラムの適用、オペレーティングシステム(OS)のアップグレード、Windows Updateに限られており、それ以外の方法でアクセスしようとするプログラムは拒否される。
TrustedInstallerは「Windows Resource Protection」(WRP)の一部として機能しており、「.dll」「.exe」「.ocx」「.sys」といった拡張子を持つシステムファイルやレジストリキーの不正な書き換えを防ぐ。これは以前のWindowsで採用されていた「Windows File Protection」を発展させた仕組みで、保護対象をレジストリやコンポーネントストアにまで広げている。管理者権限を取得した悪意あるプログラムがOSの中核部分を書き換えることも難しくなっており、誤操作によるシステム破損とマルウェアによる侵害の双方に対する防衛線として機能している。
利用者がシステムファイルを変更しようとすると、「このファイルを変更するには、TrustedInstallerからアクセス許可を得る必要があります」というメッセージが表示される。ファイルのプロパティ画面から所有者を自分のアカウントに変更し、アクセス許可を付与し直せば操作できる場合もあるが、保護されたファイルを誤って変更するとWindowsが正常に起動しなくなる恐れがある。