読み方 : ティーオーエフセンサー

ToFセンサー【Time of Flight sensor】

概要

ToFセンサーとは、光を照射してその反射光が戻ってくるまでの時間を計測することで、対象物までの距離や三次元形状を取得するセンサースマートフォンや自動車、産業機器などに搭載されている。
ToFセンサーのイメージ画像

光が往復する時間から距離を算出する測定装置である。光速は一定(約30万km/秒)であるため、発光から受光までの時間を正確に計測すれば、距離=光速×時間÷2という計算で対象物との距離を求められる。この計測を画素単位で並列に行うことで、平面的な画像ではなく各点の奥行き情報を持った「深度マップ」を生成できる。

動作原理によって主に二つの方式に分かれる。パルス光を照射して時間差を直接計る「直接ToF」(dToF)と、強度変調した連続光を照射し、反射光との位相差から距離を間接的に算出する「間接ToF」(iToF)である。dToFは長距離計測に強く、自動運転車などのLiDARに多く採用されている。iToFはスマートフォンのカメラ補助機能など比較的近距離の用途に向いている。

ToFセンサーは、スマートフォンでは顔認証や背景ぼかし撮影の精度向上に活用される。自動車分野では、自動ブレーキや自動運転システムの周辺環境認識に用いられる。産業用ロボットでは、物体の位置や形状を把握するために組み込まれる。家庭用ゲーム機でジェスチャー操作の入力デバイスとして用いられたこともある。

課題としては、太陽光など強い外光の影響を受けやすいこと、反射率が極端に低い黒色物体では精度が落ちること、測距範囲や分解能に制約があること、高精度化に伴うコスト増などが挙げられる。技術の進歩とともに小型化・低コスト化が進み、様々な機器への搭載が広がっている。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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