読み方 : ステップファイル

STEPファイル【Standard for the Exchange of Product Data】

STEPファイルとは?

製品の3次元形状データを異なるCADソフトウェア間で共有するための標準ファイル形式。ISO 10303として規格化されている。ファイル拡張子として「.stp」または「.step」が用いられる。
STEPファイルのイメージ画像

STEPファイルの内部はテキスト形式で記述されており、人間が直接読むことも原理上は可能である。記録できる情報として、部品の3次元的な形状を数値で表したデータに加え、部品間の組み合わせ構造、材質、製造公差など設計全般のメタデータも含まれる。形状データの単純な伝送・共有だけでなく、設計情報をまとめて受け渡す用途にも対応している。

現在は製造業を中心に広く普及しており、航空・宇宙、自動車、精密機器など多くの産業分野で標準的なデータ交換手段として定着している。主要なCADソフトウェアのほぼすべてがSTEPファイルの読み書きに対応しており、異なるメーカーや取引先との間でも設計データをやり取りできる環境が整っている。

規格の一部として、分野や用途ごとに定められた「アプリケーションプロトコル」(AP)と呼ばれる複数のサブセットが存在し、機械設計向けの「AP203」や「AP214」、より統合的な製品情報を扱う「AP242」などが知られている。それぞれ対象とする製品分野や含められる情報の範囲が異なるため、送受信するソフトウェアや用途によって適切なプロトコルを選択する。異なるAP間では情報が一部失われるケースもあり、注意が必要である。

STEPファイルの標準規格は国際標準化機構ISO)によって1994年に初版が発行された。当時、CADソフトウェアの開発元はそれぞれ独自形式を採用しており、異なるソフトウェア間でデータを受け渡すことができなかったり、変換機能の不完全さやバグから形状の崩れや情報の欠落が頻発していた。STEPファイルの制定により主要なソフトウェアが対応し、基本的な情報は問題なく相互にやり取りできる仕組みが整った。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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