読み方 : エスアールティー
SRT【Secure Reliable Transport】
概要

カナダのハイビジョン(Haivision)社が開発した技術で、仕様はオープンソースとして公開されている。業界団体のSRTアライアンス(SRT Alliance)を通じて普及が進められている。インターネットのような一定の回線品質を維持できない通信環境でも映像や音声をなるべく途切れなく伝送することを目的として設計されている。
トランスポート層のプロトコルにUDP(User Datagram Protocol)を用いており、パケットの再送制御や順序制御、遅延制御などを独自に実装している。回線品質が不安定な場合でも、受信側で欠落パケットを自動再送要求(ARQ)する仕組みが働き、映像の乱れを抑えることができる。
伝送データは共有鍵暗号の標準規格AESによって暗号化可能であり、第三者による盗聴や改竄を防ぐことができる。遅延時間は用途に応じて設定でき、ライブ中継やリモート制作など低遅延が求められる場面でも利用されている。パケットの送信タイミングを制御することで、回線の混雑による映像の「カクつき」(ジッタ)を抑制する機能も備わっている。
SRTは一般的な消費者向けの映像配信ではなく、放送局間の映像伝送や、クラウドを経由した配信、遠隔地からの映像素材伝送などの業務用途を想定して設計されている。従来は専用回線や衛星回線が必要で高コストだった業務用の映像伝送を、一般的なインターネット回線で実現できる点が評価されている。