読み方 : スリップ
SLIP【Serial Line Internet Protocol】
概要

1984年に考案された仕様で、物理層とネットワーク層を繋ぐデータリンク層のプロトコルの一つである。当時のコンピュータはモデムと電話回線を用いて遠隔地に接続するのが一般的で、IP通信を行うためにはシリアル回線上でIPデータグラムを区切る仕組みが必要だった。
SLIPは、IPデータグラムの先頭や末尾に特定の区切り文字を付加することで境界を識別する単純な方法でIP通信を可能にする。設計が簡潔で実装が容易である一方、誤り検出機能や圧縮機能、認証機能などを標準では備えておらず、IP以外のプロトコルを多重化する仕組みも持たない。接続時にIPアドレスを自動的に割り当てる機能もなく、利用者は事前に固定のIPアドレスを設定する必要があった。
PPPへの移行
1990年代後半の初期のインターネット接続で利用されたが、その後、より高機能な「PPP」(Point-to-Point Protocol)が登場し、ダイヤルアップ接続の主流はPPPへと移行した。PPPは認証機能や動的IPアドレス割り当て、誤り検出などを備え、利便性と安全性、安定性がSLIPより格段に向上している。当時は企業内LANなどで米アップル(Apple)社の「AppleTalk」や米マイクロソフト(Microsoft)社の「NetBIOS」などIP以外の方式も現役だったため、PPPがIP以外のプロトコルも伝送できる点はダイヤルアップリモートアクセス用途にも都合が良かった。