読み方 : エスディーエクスプレス

SD Express【microSD Expressカード】

SD Expressとは?

SDメモリーカードの拡張規格の一つで、データ入出力にパソコン内部で使われる高速接続技術のPCI Expressの仕様を取り入れたもの。従来のSDカードをはるかに上回る転送速度を実現する。SDアソシエーションが2018年に策定したSD 7.0規格で導入された。
SD Expressのイメージ画像

SDカードデータ転送機能を強化した拡張仕様で、パソコン内部でビデオカードなどの接続に使われる「PCI Express」(PCIe)と、SSDなど高速ストレージ向けの通信プロトコルである「NVMe」(NVM Express)を採用している。外形や端子形状は従来のSDカードと同一だが、内部的にはSSDに近い動作をする。

実際の製品の転送速度は、採用するPCIeの世代とレーン数によって異なる。初期のSD 7.0では最大約985MB/sを達成し、SD 8.0ではPCIe 4.0の複数レーン構成により最大約4GB/sまで引き上げられた。従来方式の一般的なUHS-IIカードの上限が約312MB/sであることと比べると、その速度差は歴然としている。

外形寸法は従来のSDカードと同一で、既存スロットへの物理的な装着も可能である。ただし、SD Expressとしての速度を発揮するには、差し込まれるホスト機器側も同規格に対応している必要がある。従来機器との互換性も維持されており、SD Express非対応機器に挿入した場合は、従来のSD規格でデータ転送を行う。

主な用途として想定されるのは、8K動画の撮影に対応するカメラや高速連写を行うデジタル一眼レフカメラ、携帯型ゲーム機などである。2025年発売の「Nintendo Switch 2」がSDカードスロットの対応カードをmicroSD Expressカードのみとしたため俄然需要が高まっており、同機の日本発売直後は品薄になる事態も生じた。

NVMeを採用しているため、オペレーティングシステム(OS)側からは標準的な高速ドライブとして認識される。モバイル機器や組み込みシステムにおける着脱可能なシステムドライブとしての活用も期待される。高速化に伴い消費電力や発熱は従来方式より増大するため、電力管理や放熱について適切な設計が必要となる。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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