ROMモニタ【ROM monitor】ROMMON
概要

同社製のネットワーク機器は、電源を投入するとまずROMモニタが動作する。ハードウェアの初期化を済ませた上で、フラッシュメモリに保存されたCisco IOSやIOS XEなどのオペレーティングシステム(OS)を読み込み、制御を引き渡す。通常の運用中、利用者がROMモニタを意識する機会はほとんどない。
ROMモニタはOS用のフラッシュメモリとは独立した装置に格納されている。OSの格納領域の内容が損傷したり失われてもROMモニタ自体は影響を受けないため、OSが起動しない状態に陥った場合でも復旧作業のための操作を受け付けることができる。
起動に必要なシステムイメージが見つからない場合や、イメージファイルが破損している場合には、機器は通常の起動を中断してROMモニタのコマンドプロンプトを表示する。このとき、プロンプトは「rommon>」のような形式になり、利用できるコマンドは通常のCiscoコマンドとは異なる専用のものに限定される。管理者はコンソール端末からコマンドを入力し、起動イメージの指定やTFTPを使った新イメージの転送、環境変数の変更などを実行できる。
ROMモニタが実務で必要になる典型的な場面は、IOSイメージの破損・消失により起動不能になった場合や、管理パスワードの紛失である。後者では、ROMモニタからコンフィギュレーションレジスタの値を書き換えることで、起動時に既存の設定ファイルを読み飛ばし、パスワードなしでIOSにアクセスできる状態を作り出せる。この手順は「パスワードリカバリ」と呼ばれる。
かつての製品では名前の通り書き換え不能なROM(読み出し専用メモリ)に記録され、製造から廃棄まで内容は不変だったが、現行の機種では専用のフラッシュメモリに格納され、システムソフトウェアとは独立に更新できるようになっている。新しいハードウェアへの対応や不具合の修正を目的としたROMモニタのアップグレードが提供されることもあり、IOSやIOS XEの更新と合わせて実施される場合がある。