読み方 : リスクファイブ
RISC-V
概要
RISC-Vとは、CPUの命令セットアーキテクチャの一つで、誰でも自由に利用や設計、製造ができるオープンソースとして公開されているもの。2000年に米カリフォルニア大学バークリー校(UCB)で開発が始まり、現在は非営利団体RISC-V Internationalが仕様の策定と標準化を進めている。

命令セットアーキテクチャは、CPUが理解し実行できる命令の体系やレジスタ構成などを定める設計仕様である。RISC-Vは、命令を単純化し高速実行を目指す「RISC」(Reduced Instruction Set Computerの思想に基づいて設計されている。名称の「V」(ローマ数字の5)は第五世代のRISC設計を意味する。
従来、命令セットアーキテクチャの仕様はCPUメーカーなどの開発元によって知的財産として厳格に管理されてきた。これに対しRISC-Vは、仕様がすべてオープンソースとして公開されており、企業や研究機関はライセンス料の負担なく、独自のカスタマイズを加えたプロセッサを開発・製造することができる。
技術的な特徴としては、基本命令セットを最小限に抑え、用途に応じて拡張命令を追加できるモジュール構造になっている。整数演算のみの小規模構成から、浮動小数点演算やベクトル演算、暗号処理拡張などを備えた高機能構成まで柔軟に設計可能である。ただし、採用するモジュールによって対応する命令群が異なるため、ソフトウェアの互換性は限定的となる。
この柔軟性により、RISC-Vは小型のセンサーや家電製品の制御用チップから、スマートフォン、スーパーコンピュータに至るまで、幅広い分野への応用が進んでいる。特定の国や企業の制約を受けないため、世界規模での技術革新や、チップの開発・製造コスト削減、セキュリティの透明性の向上を標準規格として期待されている。