RASICチャート【RASIC chart】RASCIチャート/RASCI chart
RASICチャートとは?

「R」は “Responsible” (実行責任者)の略で、実際に作業を行う担当者を指す。タスクごとに必ず一人以上割り当てる必要がある。「A」は “Accountable” (説明責任者)で、そのタスクの最終的な結果に責任を負う人物である。決定権を持ち、承認も行う。原則として一人に絞るのが望ましいとされる。
「S」は “Support” (支援者)で、実行責任者を補佐する立場を意味する。直接の担当ではないが、作業を助けるリソースを提供する。「I」は “Informed” (情報受領者)で、進捗や結果を報告・共有すべき相手である。意思決定には加わらず、情報を受け取るのみでよい。「C」は “Consulted” (相談相手)で、作業を進める前や途中で意見を聞くべき専門家や関係者にあたる。
このような作図法が生まれた背景には、組織で仕事を分担する際に生じやすい「誰がやるのか分からない」「報告すべき相手を間違えた」といった混乱がある。特にプロジェクトメンバーが多くなるほど、責任の所在が曖昧になりやすい。表として一覧化することで、全員が自分の立ち位置を把握しやすくなる。なお、元になったのは「RACIチャート」で、「R」「A」「C」「I」の4区分だった。RASICチャートはこれに「S」(支援者)の概念を加えた拡張版である。
作成は通常、プロジェクトの計画段階に行い、キックオフミーティングなどの際にチーム内で共有する。進行中にも変更があれば適宜更新するのが基本である。ソフトウェア開発、製品企画、社内業務改善など、業種やプロジェクトの種類を問わず活用されている。注意点として、「A」が複数人になると責任が分散し、かえって判断が鈍くなることがある。また、表を作っても関係者全員に周知されなければ実効性は薄い。あくまでコミュニケーションを補助するツールであるため、詳細な職務を文書化するなど運用の工夫が伴ってはじめて機能する。