読み方 : パイトーチ
PyTorch
概要

Pythonとシームレスに統合されたフレームワークで、PyTorchのコードは通常のPythonコードと自然に組み合わせて書くことができるため、Pythonに慣れた開発者や研究者にとって学習コストが低い。NumPyに似たテンソル(多次元配列)演算のインターフェースを持っており、数値計算の知識があればスムーズに使い始めることができる。
PyTorchの大きな特徴の一つが「動的計算グラフ」の採用である。計算グラフとは、数値計算の処理手順をグラフ構造で表したもので、静的計算グラフを採用する一部のフレームワークでは、モデルの構造を事前に定義してからデータを流し込む方式を採る。一方、PyTorchでは実行のたびに計算グラフが動的に構築されるため、条件分岐やループを含む柔軟なモデルの記述が可能となり、デバッグもしやすいという利点がある。
また、GPUを活用した高速な並列計算にも対応しており、大規模なデータセットや複雑なモデルの学習を現実的な時間で行うことができる。学習済みモデルを本番環境に展開するための「TorchScript」や、ONNX形式へのエクスポート機能も備えており、研究から実用化までを一貫して支援する環境が整っている。
画像処理や自然言語処理などの分野向けに拡張ライブラリが提供されており、既存のモデルやデータセットを活用しやすい環境が整っている。大規模言語モデル(LLM)や画像認識、音声認識など幅広い分野の研究や開発に用いられており、特に学術研究の分野では世界的に広く採用されているフレームワークの一つとなっている。