読み方 : プロセッシング

Processing

概要

Processingとは、視覚表現やインタラクティブアート作品の制作を目的として設計されたオープンソースプログラミング言語および開発環境。コードを書くことで画面上に図形やアニメーションを描き出すことができ、視覚的な結果がすぐに得られる。
Processingのイメージ画像

2000年代初頭にメディアアートやビジュアルデザイン教育の現場から生まれた開発環境で、Java言語を簡略化した構文や記法を採用している。比較的少ないコード量で図形描画やアニメーション、マウスキーボード入力への反応といった処理を実装できる。

最大の特徴は、グラフィック描画やインタラクションに特化した命令が豊富に用意されている点で、プログラミングについての専門的な知識が乏しくても複雑な図形やインタラクティブな作品を簡単に作成できる。プログラムを実行すると専用のウィンドウが立ち上がり、そこに文字や線、円といった図形をコードで指定した通りに瞬時に描き出す。画面上の色を変えたり、マウスの動きに合わせて図形を移動させたりする処理も短いコードで記述可能である。

Javaプログラムでグラフィック表示を行う「下準備」として必要なウィンドウの生成や描画ループの管理など機能は実行環境側であらかじめ用意されており、利用者はsetup関数やdraw関数といった決められた構造の中に処理を記述するだけで、リアルタイムに変化するグラフィックスを実現できる。座標系や色指定、図形描画のための関数が標準で備わっているため、数学的な知識があれば、かなり複雑な視覚表現や時系列の変化も記述することができる。

統合開発環境IDE)が標準で提供され、エディタプログラム実行、デバッグの機能が一体化しており、初心者にとって導入が容易である。プログラミングの基本概念である変数、条件分岐、繰り返し処理などを、視覚的な結果と結び付けることができ、抽象的な概念を具体的な動きとして理解することができる。プログラミング学習の初歩として、教育用途でも広く利用されている。

拡張ライブラリを追加することで、音声処理や映像入力、外部デバイス制御などにも対応できる。Webブラウザ上で動作する派生環境「p5.js」はJavaScriptを用いてProcessingと類似した記法でプログラムを記述でき、インターネット上でのインタラクティブ作品制作に利用されている。JavaではなくPythonベースの記法を用いる派生版「Python Mode for Processing」も開発されている。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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