読み方 : オーティーエヌ

OTN【Optical Transport Network】光トランスポートネットワーク

概要

OTNとは、光ファイバー通信網において大容量のデータを高速かつ高信頼に伝送するための国際標準規格。異なる種類の通信信号を共通のフレーム形式に収容し、誤り訂正や監視の機能を備えながら長距離・大容量の伝送を実現する。ITU-T国際電気通信連合)によってG.872、G.709、G.798などの一連の勧告によって標準化されている。
OTNのイメージ画像

OTNは、波長分割多重WDM)技術によって生成された光信号を、デジタル領域で効率よく多重化、伝送、管理するための枠組みを提供する規格である。IPイーサネットSDH/SONETFibre Channelなど異なる種類の信号を一つの光波長に収容し、統一的に扱えるようにする。

上位層から受け取った信号は専用のフレームに格納され、管理情報や誤り検出のための情報が付加された上で光信号により伝送される。中継機器はデータの中身を解析せずに目的地まで届ける。

OTNの大きな特徴は、伝送途中で発生する誤りを検出・訂正する機能を備えている点である。「前方誤り訂正」(FECForward Error Correction)と呼ばれる技術により、光信号の減衰や雑音で生じた誤りを受信側で自動的に修復できるため、中継器の間隔を広げても信号品質を維持しやすい。また、回線の接続状態や通信品質を常時監視する仕組みも組み込まれており、光ケーブルの切断など障害が発生した場合には予備の経路へ短時間で切り替える保護機能も用意されている。

OTNが登場する以前、光ネットワーク多重化や監視の方式は機器メーカーごとに異なり、機器間の相互接続性に課題があった。SDHSONETは主に音声通信を効率よく運ぶ目的で設計された規格で、インターネットの普及に伴うデータ通信量の急増には十分対応しきれず、異なる規格のデータが混在する環境を個別に運用することもコスト面で非効率だった。こうした事情を踏まえ、多様な大容量データを一本の光ファイバーで安定して輸送する共通基盤としてOTNが定められた。

現在では通信事業者の基幹網やデータセンター間を結ぶバックボーン回線で広く採用されている。通信速度の向上に合わせて規格も拡張されており、100Gbpsや400Gbpsを超える高速回線への対応も進んでいる。クラウドサービスや動画配信、生成AIなどによって通信量が増加するなか、OTNは増え続けるトラフィックを支える基盤技術として利用されている。

(2026.7.1更新)
 
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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