OKF【Open Knowledge Format】
概要

OKFでは、知識の集合を「バンドル」(bundle)と呼ぶ単位で管理する。バンドルはMarkdownファイル(.mdファイル)を集めたディレクトリであり、テーブル、メトリクス、プレイブック、APIなど表現したい概念を1ファイル1概念の形で記述する。
各ファイルの先頭にはYAMLフロントマター(YAML Frontmatter)形式の構造化されたメタデータを配置し、残りの本文はMarkdownで自由に記述する。必須項目は最小限に抑えられており、組織や用途に応じた属性を追加できる。
ファイル同士は通常のMarkdownリンクで関連付けられ、ディレクトリ構造が概念間の関係性を表すグラフ構造を形成する。SDKや専用ランタイムを必要とせず、Gitリポジトリやアーカイブファイルなど一般的な方法で配布できる。AvroやProtobuf、OpenAPIといった既存のドメイン固有スキーマを置き換えるものではなく、それらを参照・補完する位置付けである。
OKFが生まれた背景には、AIエージェントの活用拡大に伴う課題がある。組織内で特定の指標がどう計算されるか、あるデータ概念がどのテーブルに対応するかといった情報を、エージェントが参照できる統一された形式がこれまで存在しなかった。従来もMarkdownで知識を管理する手法は広く使われていたが、ディレクトリ構成やメタデータの書き方は利用者ごとに異なっており、ツールやサービス間での知識の交換が難しかった。
Google社はリリースと同時に、Google Cloud Knowledge CatalogがOKF形式のデータを取り込みエージェントへ提供できるよう対応したほか、BigQueryの情報を取り込むエージェントや静的HTML可視化ツールなどのリファレンス実装も公開している。仕様はGitHub上で公開されており、同社製品以外での実装や外部からの貢献も歓迎している。