O-RAN【Open RAN】オープンRAN
O-RANとは?

従来の基地局は、特定メーカーのハードウェアとソフトウェアが一体となった専用製品として提供されてきた。通信事業者は機器の選定や更新においても同一メーカーの製品を使い続ける必要があり、コスト削減や柔軟なシステム変更が難しかった。特定の供給元に依存する構造は、調達リスクの面でも課題とされてきた。
O-RANでは、基地局の機能を「RU」(Radio Unit:無線ユニット)、「DU」(Distribution Unit:分散ユニット)、「CU」(Central Unit:中央ユニット)などの機能単位に分割し、それぞれの接続仕様を公開・標準化することで、異なるメーカーの製品を組み合わせて構築できるようにする。
また、データセンターなどでも用いられる一般的な仕様の汎用サーバ上でソフトウェアとして基地局機能を動作させる仮想化技術の導入も進められており、専用ハードウェアへの依存を減らしながら、ソフトウェアの更新だけで機能追加や性能改善を行える構成が実現しつつある。
仕様の策定は、通信事業者や機器メーカーが参加する国際的な業界団体「O-RAN ALLIANCE」(オープンRANアライアンス)が主導している。こうした標準化の動きは5Gの普及とともに加速しており、6Gを見据えた次世代インフラの構築においても前提となりつつある。調達先の多様化による競争促進やコスト低減が期待され、小規模なソフトウェア企業が特定機能を担う形での新規参入にも道が拓ける。
一方、異なるメーカーの製品を組み合わせる以上、動作検証やセキュリティ確保の責任は通信事業者自身が負うことになり、運用上の難度は高い。従来の一体型システムと比較した安定性や性能面での懸念もあり、各国で実証実験が続けられている段階である。日本でも政府主導の推進策のもと、国内通信事業者による実装事例が出始めている。