N88-BASIC
概要
N88-BASICとは、NECのパソコン「PC-8800」シリーズおよび「PC-9800」シリーズで動作する、BASIC言語の開発・実行環境。オペレーティングシステム(OS)としての役割も兼ねている。PC-9800シリーズ用のものは正確には「N88-BASIC(86)」もしくは「N88日本語BASIC(86)」という。両シリーズとも本体内蔵のROMにN88-BASICが記録されており、フロッピーディスクなどで外部から読み込まない限り、電源を入れるとこれが自動的に起動する。ROMに記録されたBASIC処理系を俗に「ROM-BASIC」(ロムベーシック)と呼ぶ。
これに対し、本体とは別に提供されたフロッピーディスクに記録されたBASIC処理系は「DISK-BASIC」(ディスクベーシック)という。DISK-BASICはROM-BASICの機能を呼び出して使用するため、基本的な機能は同じだが、DISK-BASICにはフロッピーディスクの入出力機能があるため(ROM-BASICで作成したプログラムは保存できない)、通常はDISK-BASICを使っていた。
同社のPC-8001向けに開発された「N-BASIC」を発展させたもので、パソコン本体に標準添付されていたためプログラミング学習やデータ処理、ゲーム開発など様々な用途で幅広く利用された。のちにPC-9800シリーズの標準OSはMS-DOSになったが、ソフトウェア開発・実行環境としてN88-BASICが移植された。これを「DOS-BASIC」、正式には「N88日本語BASIC(86)(MS-DOS版)」という。
(2024.8.21更新)