読み方 : エムアールグラス

MRグラス【MR glass】MRゴーグル/MR goggle

概要

MRグラスとは、現実の視界にコンピュータが生成した仮想的な映像を重ね合わせて表示する、眼鏡型あるいはゴーグル型の端末。現実空間の形状や位置を認識した上で仮想の物体を実在するかのように配置し、両者を相互に影響させながら表示する。
MRグラスのイメージ画像

透明または半透明のレンズ越しに現実の風景を見ながら、その中に立体映像や文字、画像などを重畳表示する。表示された仮想物体は現実空間内の特定の位置に固定され、利用者が視点や体の位置を変えても、同じ場所に存在し続けるように見える仕組みになっている。

本体にはカメラや深度センサー加速度センサージャイロセンサーなどが搭載され、周囲の物体の形状や距離、利用者の頭や手の動きを検出する。検出した情報を基に内蔵プロセッサが描画位置を計算し、表示内容を現実空間の変化に合わせて更新する。手や視線、音声によって仮想物体を直接操作できる製品もある。

現実空間に情報を付加する「ARグラス」(Augmented Reality glass)と似た製品だが、MRグラスでは現実と仮想が単に重なって表示されるだけでなく、机の下に仮想の物体を回り込ませて隠したり、壁や家具を避けて配置したりするなど、両者が空間全体で一体的に関わり合う表現まで扱うことができる。このような現実と仮想の融合を「MR」(Mixed Reality複合現実)という。

応用例としては、製造現場での組み立て手順の表示や検査、建築物や製品を実物大で表示する設計確認、医療現場での手術支援や訓練、教育における立体模型を用いた学習などがある。遠隔地にいる専門家が利用者の視界に指示を書き込んで作業を支援したり、離れた場所にいる利用者同士が同じ仮想物体を共有して打ち合わせを行ったりする用途にも利用される。

代表的な製品として、米マイクロソフト(Microsoft)社の「HoloLens」(ホロレンズ)シリーズが知られていたが、同社では同製品シリーズの製造・販売を打ち切っている。近年では光学技術や半導体の進化により、軽量化や視野角の拡大、表示品質の向上が進んでおり、業務用途に限らず、現実世界と仮想空間を融合したゲームなど一般消費者向けの用途への応用も模索されている。

(2026.7.2更新)
 
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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