読み方 : キミ

Kimi

概要

Kimiとは中国のAI企業Moonshot AI(北京月之暗面科技)社が開発する対話型AIアシスタントおよび大規模言語モデルLLM)。チャット形式で質問への回答や文章作成、要約、翻訳、プログラム作成などをこなす。一般利用者向け対話型サービスに加えて開発者向けにAPIも提供している。
Kimiのイメージ画像

Moonshot AIは2023年3月、清華大学出身のヤン・ジーリン(楊植麟)氏らによって北京で設立された企業である。同年10月にKimiの第1版を公開し、以降は中国国内を中心に急速に利用者を拡大しながらサービスを発展させてきた。

最大の特徴は、一度に処理できるテキスト量(コンテキストウィンドウ)の大きさである。初期バージョンから12万8000トークンという当時としては破格の長文入力に対応しており、2026年のKimi 3では100万トークンまで扱える。長大な論文や書籍、契約書などを丸ごと読み込ませて要約させたり、内容に関する質問に答えさせたりする用途で高い評価を得ている。

Webブラウザのほかスマートフォン向けアプリからも利用でき、ファイルアップロードWebサイトのURL指定による読み込みに対応する。インターネット上の最新情報を検索して回答へ反映するリアルタイム検索機能も統合されている。月間アクティブユーザー数は2024年時点で3600万人を超えており、中国国内ではChatGPTに匹敵する知名度を持つAIアシスタントとして普及している。

モデルとしての進化も速い。2025年1月公開の「Kimi K1.5」は数学やコーディングマルチモーダル推論OpenAI o1に匹敵する性能を持つとされた。同年7月公開の「Kimi K2」は総パラメータ数が1兆を超え、「MoE」(Mixture of Experts)構成を採用して効率性と精度を両立している。オープンウェイトモデルとして公開され、Hugging Faceのダウンロードランキング首位を獲得した。2026年7月には後継の「Kimi K3」が発表され、パラメータ数は2兆8000億に達している。

現在のKimiは単純な対話にとどまらず、画像を扱うマルチモーダル処理やソフトウェア開発支援、複数の作業を自律的にこなすエージェント機能などへ対応範囲を広げている。コーディングへの適性の高さから、プロのソフトウェア開発者にとっても有力な選択肢の一つとして扱われることが増えている。開発元のMoonshot AIは多額の資金調達にも成功しており、アジア圏における生成AI開発をリードする企業の一つに数えられている。

(2026.7.18更新)
 
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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