ITサービスマネジメントシステム【ITSMS】IT Service Management System
概要

ITサービスとは、情報システムやネットワーク、クラウドサービス、業務アプリケーションなどを利用者へ提供する活動全体を指す。ITサービスマネジメントシステムでは、障害発生時の対応、変更管理、利用者からの問い合わせ対応、継続的な改善活動などを組織的に実施する。単なる技術的な運用管理ではなく、文書管理や監査、評価なども管理対象に含まれる。
サービスの計画立案、実際の運用、成果や課題の監視、改善という管理サイクルに基づいて運営される。このサイクルの中では、インシデント管理、問題管理、変更管理、構成管理、可用性管理、キャパシティ管理といった様々な管理活動が相互に連携し、サービス停止や品質低下のリスクを抑えながら安定した運用を実現する。
実践的な指針としては「ITIL」(Information Technology Infrastructure Library)が広く参照されており、サービスデスク、インシデント管理、変更管理など各領域のプロセスを詳細に定義している。国際規格としては「ISO/IEC 20000」が知られており、ITサービスを適切に管理するための要求事項を定めている。
この規格を満たしていることを認証する制度もあり、組織が管理体制を整備し、第三者機関による認証を取得することで、自社のITサービス管理が国際水準を満たすことを客観的に示せる。システム開発・運用を受託するIT企業や、グループ会社にITサービスを提供する情報システム子会社などが、取引先や親会社に対してITサービス品質を証明する手段として活用されている。
ITサービスマネジメントシステムが普及した背景には、現代のビジネス環境におけるITへの依存度の高まりがある。ITシステムは企業の基幹業務を支える不可欠な基盤となっており、停止や品質低下は事業活動全体に大きな損失をもたらす。個々の技術者のスキルに頼るのではなく、組織全体で均質なサービスを維持する仕組みとして整備が進んでいる。