読み方 : アイアールディーエス
IRDS【Information Resource Dictionary System】
概要
IRDSとは、企業や組織が保有するデータやプログラム、システム構成などの情報資源に関する定義や仕様、所在を一元的に記録・管理するための情報システム。データディクショナリを発展させた概念で、情報資源そのものではなく、それらに関する定義情報を管理する。

管理の対象となるのは、データの名称や種類、構造、関係性といったメタデータ(データについてのデータ)である。データベースにどのようなデータ項目が存在し、それぞれがどのような型や意味を持つのかを記録し、情報資源の全体像を把握できるようにする。
各システムが個別にデータを管理すると、同じデータに異なる名称や型が割り当てられ、連携や保守が困難になる場合がある。共通の辞書として参照できる仕組みを構築すれば、組織全体のデータ定義の揺らぎを解消し、開発者はデータ仕様を正確に把握できるようになる。仕様変更時の影響範囲の特定も容易になる。
IRDSは、単なるデータ項目の一覧を保存する「データディクショナリ」(data dictionary)とは異なり、情報資源をモデル化して管理するための枠組みを備えている。データの型とインスタンスを区別し、複数の階層に分けて情報を管理できるほか、定義した情報を取り出したり外部から取り込んだりする機能や、プログラムから内容やサービスを利用するためのインターフェースも規定されている。
IRDSは1980年代に米国の標準化活動を通じて整備され、ISO/IECでも標準化が進められた。システムの構造やデータ内容を規定するISO/IEC 10027のほか、プログラムからIRDSのサービスを利用するためのISO/IEC 10728がある。データベース管理やソフトウェア開発に必要な情報を一元的に管理するといった応用も進められた。
(2026.9.25更新)