High-k 【高誘電率ゲート絶縁膜】

概要

High-k(高誘電率ゲート絶縁膜)とは、ICチップに形成された微細なトランジスタリーク電流を減らす技術の一つで、ゲート絶縁膜に高誘電率の材料を用いる手法。

ゲート絶縁膜はシリコンなどでできた基板ウェハ)とゲート電極の間に挟まれる薄い膜状の絶縁層である。一般的にはシリカ(二酸化ケイ素:SiO2)が用いられるが、2000年代の急激な半導体製造プロセスの微細化により、ゲート絶縁膜は数ナノメートルにまで薄くなっており、量子的なトンネル効果で絶縁膜をすり抜ける電流の漏れ(リーク電流)の増大が大きな課題となっていた。

そこで、二酸化ケイ素に代えてこれよりも高い比誘電率を持つHigh-k材料で絶縁膜を構成する手法が考案された。これにより、トランジスタの性能や特性を維持したまま絶縁膜をより厚く形成することができるようになり、リーク電流を減少させることができる。

比誘電率は慣用的にギリシャ文字の “κ” (カッパ)で表されるため正しくは「High-κ」(ハイカッパ)だが、ギリシャ文字を常用しない欧米圏で記述・表示しやすいよう便宜上「High-k」(ハイケー)と書かれることが多い。

(2018.11.15更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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