HIPS【Host-based Intrusion Prevention System】ホスト型IPS/ホスト型侵入防止システム
概要

HIPSは端末内部で発生するあらゆる処理を監視する。プロセスの起動、システム設定やレジストリの変更、重要なファイルへのアクセス、プロセス間通信などが対象となる。不審な動作を検知した場合は、その処理を停止し、管理者へ通知する。
既知のパターン(シグネチャ)を照合する従来のウイルス対策ソフトとは異なり、HIPSはプログラムの挙動そのものを分析する。定義ファイルに登録されていない未知のマルウェアやゼロデイ攻撃に対しても一定の防御効果が期待できる。例えば、通常の業務ソフトが突然システム領域を書き換えようとした場合や、他のプロセスへ不正にコードを注入しようとした場合などに遮断が行われる。
監視・制御の仕組みとしては、許可された動作のみを認める「ホワイトリスト型」、不正と判断される動作を禁止する「ブラックリスト型」、正常な利用状況から逸脱した挙動を検出する「振る舞い検知型」などがある。製品によって採用する方式や組み合わせは異なる。厳格な設定では正常なソフトウェアの動作まで制限してしまう誤検知が発生することがある。導入時には監視対象や許可ルールを業務の実態に合わせて調整する必要がある。
類似技術に「HIDS」(Host-based Intrusion Detection System)がある。これも端末上で動作するが、ログ解析やファイルの改竄検知などを事後的に行うものであり、操作をリアルタイムで遮断するHIPSとは異なる。両者を組み合わせて運用されることも多い。ネットワーク上のトラフィックを対象に同様の防御を行う技術や製品は「NIPS」(Network-based Intrusion Prevention System)と呼ばれる。企業向け製品ではマルウェア対策やEDR(Endpoint Detection and Response)、ファイアウォールなどとHIPS機能を統合して提供する例も多い。