読み方 : ジーピーユーパススルー

GPUパススルー【GPU passthrough】

GPUパススルーとは?

仮想化環境仮想マシンVM)上で動作するOSが、ハイパーバイザーを介さず物理的なGPUを直接認識・占有して利用できるようにする仕組み。仮想化環境でもGPU本来の処理性能をほぼそのまま引き出せる。
GPUパススルーのイメージ画像

通常の仮想化環境では、仮想マシンは物理ハードウェアに直接アクセスできず、ハイパーバイザーが用意した仮想的なデバイスを通して操作する。GPUについても、ハイパーバイザーエミュレートした仮想的な描画機能を使うか、複数の仮想マシンで一つのGPUを分割共有する方式が一般的である。いずれの方式も仲介処理のオーバーヘッドが生じるため、GPUが持つ本来の性能を完全には発揮しにくい。

GPUパススルーでは、特定のGPUを一つの仮想マシンに専有させ、仮想マシン上のOSがそのGPUを実機として認識して直に操作することができる。ハイパーバイザーによる変換処理を経由しないため、物理マシンに直接OSをインストールした場合と同等に近い処理速度を維持できる。

この技術の利用には、ハードウェアとソフトウェアの両面で条件が必要である。CPUマザーボードが「IOMMU」(Input/Output Memory Management Unit)と呼ばれる入出力仮想化支援機能に対応していなければならず、ハイパーバイザー側でも対象GPUを特定の仮想マシンへ割り当てる設定を行う必要がある。

主要なハイパーバイザー製品では、KVMVMware ESXiProxmox VEなどが対応している。GPUドライバはOS側に導入し、仮想マシンから直接制御する。割り当てられたGPUは、OSや他の仮想マシンからは利用できなくなるため、複数のGPUが実装されている場合はパススルー用とハイパーバイザー管理下のものに分けてそれぞれ管理することもある。

主な用途は、仮想デスクトップ環境での3Dグラフィックス処理、動画編集、CAD機械学習などである。近年ではAIの普及に伴いクラウド上でGPUを必要とする処理が増えたことで注目が高まっており、データセンターや企業のサーバに複数のGPUを搭載し、用途別に仮想マシンへ割り当てる運用も広がっている。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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