読み方 : ジーピーユークラスタ

GPUクラスタ【GPU cluster】

概要

GPUクラスタとは多数のGPUを搭載したコンピュータノード)を高速なネットワークで接続し、全体を一つの計算資源として動作させる仕組み。各ノードGPUが計算処理を分担し、協調しながら大規模な並列演算を行う。
GPUクラスタのイメージ画像

GPUGraphics Processing Unit)はもともと3DCGを描画するための演算装置だが、単純な計算を大量に同時実行する並列処理に優れる。少数の複雑な処理を順に進めるCPUに対し、GPUは数千から数万の演算コアを持ち、行列演算を繰り返す機械学習の学習処理と相性が良い。

1台のコンピュータに搭載できるGPUの数や、単体のGPUが扱えるメモリ容量には限りがある。そのため、大規模なAIモデルの学習など膨大な計算量を要する処理では、多数のノードを束ねてGPUの総数を増やし、計算タスクを分割して各ノードに割り振ったうえで、結果を集約する方法が採られる。単体では長期間かかる処理も、多数のGPUで分担すれば大幅な時間短縮が可能になる。

ノード間の通信性能は、GPUクラスタ全体の処理効率を左右する要素である。各ノードは計算の途中経過や結果を頻繁にやり取りしながら動作するため、通信に遅延があると処理速度が伸び悩む。このため、InfiniBandなど低遅延かつ高帯域な専用ネットワークや、各ノードへ処理を分配する管理ソフトウェア、共有ストレージなどを組み合わせて構成される。また、大量の機器が発する熱を逃がす冷却設備や、電力を供給するインフラの確保も欠かせない。

GPUクラスタは、画像認識自然言語処理をはじめとする機械学習の分野に加え、ゲノム解析や創薬、気象や地震データの解析、大規模な数値シミュレーションなど、大量の演算を要する分野でも利用されている。搭載するGPUの種類によって、同一機種のみで構成する形態と、異なる世代やメーカーのGPUを組み合わせる形態とに分けられる。クラウドサービス事業者を通じて、自前で設備を持たない企業や研究機関にも利用環境が提供されている。

(2026.8.31更新)
 
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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