GPT-5.6 Sol
概要

GPT-5.6は同社の「GPT」シリーズのLLMで、2026年に発表された。「Sol」「Terra」「Luna」という3段階の性能帯で構成され、Solはその中で最も高性能な旗艦モデルという位置付けである。Terraは性能とコストの均衡を重視した日常業務向けのモデル、Lunaは速度と低コストを重視したモデルである。
Solは長文の指示や大量の資料を一度に扱える広いコンテキストウィンドウを備え、複数の条件を考慮した推論や長文の要約、設計書や報告書の作成、プログラムコードの生成と修正を得意とする。API版では約105万トークンを一度に処理でき、大規模な文書やソースコード全体を参照しながら処理できる。用途としては、プログラムの自律的な開発、ソフトウェアの脆弱性の発見、創薬関連の作業など、複数の段階を踏む高度な推論を要する処理が想定されている。
性能面では、コマンドライン操作を伴う一連の作業を評価するTerminal-Bench 2.1というベンチマークで高い成績を記録したほか、コーディング能力を測る指標でも高水準の結果を示したとされる。出力するトークン数を抑えつつ短時間で処理を終える効率性も特徴で、他社モデルに比べ高い性能・精度とコストの抑制を両立させたモデルとして高く評価されている。
同社の対話型AIサービス「ChatGPT」では対象プランに段階的に提供されており、複雑な質問ではSolが推論処理を担当する一方、日常的な短い質問には応答速度を重視した旧世代の「GPT-5.5 Instant」が引き続き使われる。より高い性能を必要とする利用者向けには、さらに計算資源を投入する「GPT-5.6 Sol Pro」も用意されている。CodexやOpenAI APIからも利用でき、使用可能なモデルや推論レベルは契約プランや管理者設定によって異なる。
Solの提供開始にあたっては、通常とは異なる経緯があった。米政府による規制の影響で、一般公開に先立って一部の信頼できるパートナーのみを対象とした限定的なプレビューという形で提供が始まった。高リスクなサイバーセキュリティ関連や生物学関連の要求に対しては、学習済みの安全機構に加え実行時の監視や判定を組み合わせた多層的な保護が導入されているほか、公開前には自動化されたレッドチーム評価や長期間の安全性検証が行われ、悪用や想定外の振る舞いを抑えるための改良が加えられている。