読み方 : ジーシーエムピー
GCMP【Galois/Counter Mode Protocol】
概要

GCMPでは暗号アルゴリズムとして「AES」(Advanced Encryption Standard)を使用し、暗号利用モードに「GCM」(Galois/Counter Mode)を採用する。送信データをAESで暗号化しながら、同時にガロア体演算に基づく認証タグを生成する。
受信側はこの認証タグを検証することで、データが通信途中で改竄されていないか、また、正しい暗号鍵を持つ相手から送信されたかを確認できる。この仕組みにより、機密性と完全性を一つの処理で確保する「認証付き暗号」(AEAD)を実現している。
各通信フレームにはパケット番号(PN)に基づく固有のランダムな「初期化ベクトル」(IV:Initialization Vector)が付与される。同一の暗号鍵を用いてもフレームごとに異なるIVが使われるため、同じ暗号文が繰り返し生成されることがない。また受信側はパケット番号を管理することで、過去に傍受した正規フレームを再送する「リプレイ攻撃」(replay attack)を検出し、受け付けないようになっている。
従来広く使われてきた「CCMP」(Counter mode with CBC-MAC Protocol)と比べると、処理効率とセキュリティ強度の両面で優れている。CCMPが採用するCCMモードは暗号化と認証タグ生成を逐次的に処理する必要があるのに対し、GCMはこれらを並列に処理できる。この特性はCPUや通信機器に搭載されたAES専用命令や暗号演算回路との親和性が高く、256ビットAESのような強度の高い暗号方式であっても高速に処理できる。Wi-Fiのセキュリティ規格である、WPA3エンタープライズの192ビットモードなどとして採用されている。
(2026.7.2更新)