読み方 : ファストブートモード
Fastbootモード
Fastbootモードとは?
Android端末でオペレーティングシステム(OS)が起動する前の段階でパソコンと接続し、内部ソフトウェアの書き換えや修復を行うための特殊な動作モード。一般の利用者が日常的に使う機能ではなく、ソフトウェア開発や機器の保守作業で利用する低水準の制御手段である。

通常、スマートフォンの電源を入れると「ブートローダ」と呼ばれる制御プログラムが最初に動作し、その後にAndroid本体が起動する。Fastbootモードはこのブートローダの段階で動作を止め、外部からの命令を待つ状態に置く。画面にはロゴや文字情報のみが表示され、通常のアプリ操作はできない。電源オフの状態から特定のボタンの組み合わせを長押しすることで起動できる機種が多い。
パソコン側の「fastboot」コマンドラインツールとUSBケーブルを使って端末に命令を送ることで、システム領域への書き込みやデータの消去、OSイメージの転送などを行うことができる。OSが起動した状態で使う「ADB」(Android Debug Bridge)と連携して用いられることも多い。公式ファームウェアの適用による修復、カスタムROMの導入、起動不能になった端末の復旧といった用途で利用される。
自由に書き込みを行うには「ブートローダのアンロック」が必要な端末が多い。この操作を行うと端末内のデータが消去され、メーカー保証が失われる場合がある。また、誤ったデータを書き込むと端末が二度と起動しなくなる「文鎮化」のリスクもあるため、機種ごとの手順確認とバックアップが不可欠である。近年の端末ではセキュリティ強化のため、ブートローダのロック機構や署名検証機能が導入されており、簡単に実行できないようになっている。