FDE【Forward Deployed Engineer】フォワードデプロイドエンジニア
FDEとは?

大企業や官公庁などの顧客はソフトウェア製品などについて既製品をそのまま使えるケースが少なく、既存システムとの連携やセキュリティ要件への対応など、個別の要求が多岐に渡る。営業担当やカスタマーサクセス担当だけでは対応しきれない技術課題に、エンジニアが直接関与することで導入を円滑に進めるために設けられた職種である。
業務内容には、顧客の課題ヒアリングと技術提案、APIやSDKを用いた連携システムの構築、データの移行・整備、現場スタッフへのトレーニングなどが含まれる。従来のITエンジニアが上流工程担当、開発担当、サポート担当といった分業型であるのに対し、FDEは企画、開発、導入に一貫して関わり、運用開始後も問題への対応や新たな業務要件への適応支援まで担う。
開発と運用の境界が曖昧で、短期間でプロトタイプを作成して顧客の反応をもとに改良を重ねる進め方が採用されることも多い。また、現場で得た知見を自社のプロダクトチームへフィードバックし、製品改善に反映させる役割も担うことになるため、開発部門への影響力も小さくない。
求められるスキルは、プログラミングやシステム設計の実務経験に留まらず、データベース、クラウド、ネットワーク、セキュリティといった幅広い技術知識に及ぶ。加えて、顧客の業務フローや組織構造を理解し、技術的な内容を非エンジニアにも分かりやすく説明できるコミュニケーション能力が重視される。純粋な開発職とも営業職とも異なる、技術と顧客対応を横断するポジションである。
「FDE」という名称は米パランティア・テクノロジーズ(Palantir Technologies)社が使い始めたとされ、同社のビジネスモデルと共に知られるようになった。その後、AIや大規模データ分析基盤を提供するスタートアップを中心に同様の職種が広まり、日本でもSaaSやAIソリューションを展開する企業がFDEに相当する職種を設けるケースが増えている。