読み方 : イーアイディー
EID【Embedded Identity Document】
概要

「eSIM」(embedded SIM)は物理的なSIMカードとは異なり、端末に固定的に内蔵された半導体チップに移動体通信サービスの契約情報を書き込む構造になっている。従来の物理SIMではカード自体の製造番号(ICCID)が識別に用いられていたが、端末から取り出せないeSIMではEIDがその代わりとなる。EIDはチップごとに固有で、同一の番号が複数の機器で使われることはない。
EIDは主に、通信事業者がeSIMプロファイルを遠隔で配信する際に参照される。事業者はこの番号をもとに対象端末を識別し、インターネット経由で契約者情報を書き込む。利用者が回線契約を開始する際などに、端末を特定する情報として提示を求められることがある。
この仕組みは業界団体GSMA(GSM Association)が定める「リモートSIMプロビジョニング」の枠組みに基づいて運用される。eSIMの運用では、通信事業者の管理システムと端末の間に「SM-DP+」と呼ばれる配信サーバが介在し、EIDを手掛かりにして適切なプロファイルを選択・配信する。EIDはSIMの識別のための番号体系であり、IMEI(International Mobile Equipment Identifier)などの端末自体の識別番号とは区別される。
EIDは端末の設定画面や製品の外箱ラベルで確認できる。また、画面上にQRコードを表示して事業者のシステムに読み取らせることで、手入力を省いて正確に伝達する方法も広く普及している。EIDの構造はGSMAの標準仕様で定められており、製造者コードや製品種別、製造番号などの情報が番号内に組み込まれている。
(2026.6.20更新)