EC2インスタンス【EC2 instance】
概要

AWSのサービス品目の一つである「Amazon EC2」(Elastic Compute Cloud)において、物理サーバ上で仮想化技術によって動作する個々の仮想マシンである。CPU性能やメモリ容量、ネットワーク性能などが異なる複数のインスタンスタイプが用意されており、利用者は用途に応じて汎用型や計算特化型、大容量メモリ型などから選択する。
起動時にはオペレーティングシステム(OS)やサーバソフトウェアなどをあらかじめ含んだイメージを指定することで、LinuxやWindows Serverなど必要な環境を短時間で構築できる。作成後はSSHやリモートデスクトップで接続し、通常のサーバと同じくソフトウェアの導入や設定変更を自由に行うことが可能である。
料金はインスタンスタイプや稼働時間、接続するストレージ、送受信データ量などに応じて決まる従量課金制が基本となっている。長期利用を約束することで割引を受けられるプランや、AWSの余剰資源を安価に利用できるプランなど、特殊な料金オプションも用意されている。アクセスが集中する時間帯にはインスタンスの数を増やし、利用が少ない時間帯には数を減らすといった運用により、処理能力と費用の均衡を調整する「スケーリング」(scaling)を自動的に行うことができる。インスタンス自体をより高性能なタイプへ変更することも可能である。
EC2インスタンスは、AWSの他のサービスと組み合わせ、永続的なブロックストレージの接続や負荷分散装置による通信の振り分け、監視サービスによる状態の把握などを行うことができる。従来の物理サーバでは機器の調達や設置、配線などの作業が必要であったが、EC2インスタンスは管理画面やAPIから作成や削除を実行できるため、必要なときだけ計算資源を確保し、不要になれば解放するといった柔軟な運用が可能となっている。