CPLD【Complex PLD】Complex Programmable Logic Device
概要

一般的なICチップは製造時に回路構成が固定されるが、PLDは利用者が専用の開発環境で論理回路を設計し、チップに書き込むことで動作を定義できる。仕様変更や不具合修正が生じた場合も再書き込みで対応できるため、組み込み機器や試作機器の開発で広く用いられている。
内部は複数の論理ブロックと、それらを接続する配線資源で構成される。利用者はハードウェア記述言語(HDL:Hardware Description Language)などを用いて回路を設計し、加算器や比較器、通信インタフェースなど様々な論理機能を一つのチップ上に実装できる。
同じPLDの一種である「FPGA」(Field Programmable Gate Array)は数百万ゲートに及ぶ集積度を持ち、より大規模な回路を構成できるが、多くのFPGA製品は揮発性のSRAM(Static RAM)に回路情報を保持するため、電源投入の度に外部メモリから設定データを読み込む必要がある。
一方、CPLDはフラッシュメモリやEEPROMなどの不揮発性メモリを内蔵するため、この読み込み処理が不要で、起動制御や電源管理など即時動作が求められる回路に適している。また内部の配線構造が固定的なマトリクス状であることが多く、信号遅延の時間が予測しやすいため、タイミングの厳密な制御が必要な用途にも向いている。
1980年代後半から1990年代にかけて、複数のTTLロジックICを置き換える手段として普及した。近年ではFPGAの高性能化と低価格化が進んだことで両者の境界は以前ほど明確ではなくなっているが、比較的少ない回路規模で確定的な動作が求められる機器では現在も利用されている。代表的なメーカーとして米AMD社(旧Xilinx)や米アルテラ(Altera)社、米ラティスセミコンダクター(Lattice Semiconductor)社などが知られている。