CMOSイメージセンサー【CMOS image sensor】
概要

表面には微細なレンズが縦横に敷き詰められており、光はその下のカラーフィルターを通過して受光素子(フォトダイオード)に集められる。各受光素子は受けた光を強さに応じた電荷に変換し、画素ごとの増幅器を経て電気信号として読み出される。
多くの製品では画面を上から下へ列ごとに順次読み出す「ローリングシャッター方式」を採用している。このため、高速で移動する被写体や瞬間的な発光を撮影する際には、読み出し時間のズレにより像が歪んだり画面内で明暗差が生じたりすることがある。一部の製品では全画素を同時に露光・読み出しする「グローバルシャッター方式」を採用し、この問題を回避している。
もう一つの有力な方式である「CCDイメージセンサー」(CCD:Charge Coupled Device)と比較すると、汎用の半導体製造プロセスで生産できるためコストが低く、低電圧、低消費電力での動作が可能である。また、強い光源による垂直の白い縦筋(スミア)や、明るい点の周囲に光が滲み出るぼやけ(ブルーミング)が原理的に発生しない利点がある。
一方、増幅器や出力部が画素・列ごとに分散しており、その個体差が固定パターンノイズや色の偏りとして現れるため、補正の仕組みが必要となる。低照度でのノイズの多さも長年の課題であったが、シリコン基板の裏側から光を受ける「裏面照射型」や、信号処理回路を別チップに積み重ねた「積層型」など新しい構造の採用により、受光効率と読み出し性能が大きく向上している。
1990年代に半導体製造プロセスの微細化が進んだことで実用化され、1990年代後半の低価格デジタルカメラの普及や2000年代前半の携帯電話へのカメラ内蔵を支えた。その後も性能改善と低価格化が進み、2000年代半ば以降は出荷量でCCDを大きく上回った。現在ではスマートフォンやデジタル一眼カメラから、車載カメラ、監視カメラ、医療機器、産業用ロボットまで、様々な分野で標準的な撮像素子として普及している。