読み方 : シーシーケー
CCK【Complementary Code Keying】
概要

信号を広い周波数帯に分散して伝送するスペクトラム拡散技術の一種である。スペクトラム拡散では、送信したい信号に対して、それより何十倍も高速な周期(周波数)で0と1が切り替わる符号系列(デジタル信号)を乗算して伝送する。受信側では乗算した符号系列の影響を取り除くことで元の信号を取り出すことができる。
初期の無線LAN方式では「直接スペクトラム拡散」(DSSS)が用いられ、乗算する符号系列はPN符号という疑似ノイズ(一見ランダムだが計算で再現できる符号)だった。一度の伝送で、2ビットのシンボルにPN符号を掛け合わせ、受信側ではPN符号を取り除いて2ビットの情報を得る。
一方、CCKでは「相補符号」という特定の数学的な性質を持つビットパターンを乗算する。例えば、6ビットの相補符号には64種類のビットパターンがあり、これを2ビットのシンボルに乗算して送信する。受信側では逆算して元の2ビットの情報を取り出すことができるが、このとき、「64種類の中からどのビットパターンを選んだか」という情報から、追加で6ビットを得ることができ、一つのシンボルごとに8ビットを送ることができる。
この手法は無線LAN方式のIEEE 802.11bで採用され、それまで最高2Mbpsだった伝送速度を11Mbpsに大幅に引き上げることに成功した。しかし、この手法による高速化はここで頭打ちとなり、CCKは新しい規格では使用されていない。以降は、より高速な通信を実現するために直交周波数分割多重方式(OFDM)などが主流となっている。