CAI【Computer-Aided Instruction】Computer-Assisted Instruction/コンピュータ支援教育
概要

学習者は端末の画面に表示される問題に取り組み、正誤判定や解説を受け取りながら学習を進める。ドリル・アンド・プラクティスやチュートリアル、シミュレーションなど、目的に応じた形式が考案され、反復練習や個別学習に強みを持つ仕組みとして利用された。
こうした利用形態のうち、ドリル・アンド・プラクティスは計算や語句などの問題を繰り返し解く方式である。チュートリアルはコンピュータが教材を順に提示し、回答に応じて解説や次の課題を示す方式である。シミュレーションは実際の装置や現象をコンピュータ上で再現し、条件を変えながら学習する方式であり、これらの考え方は現在の学習支援システムにも取り入れられている。
歴史
CAIの起源は、コンピュータがまだ大型で高価だった1950年代にさかのぼる。1960年代には、学習者とコンピュータが対話しながら課題を進める方式が米国の大学や研究機関を中心に研究され、コンピュータの処理能力や端末技術の向上とともに、複数の学習者が同じシステムを利用する形態も発展した。
1970~80年代には小型コンピュータの普及とともに「CAI」という用語が広く使われるようになり、教育機関や企業研修の現場で採用が進んだ。当時はフロッピーディスクなどの記憶メディアを通じて教材が提供され、学習者の回答履歴を記録して進度を管理する仕組みも考案された。
1990年代にはCD-ROMの普及により図版や写真、音声、動画などを組み合わせたマルチメディア教材も開発された。同年代末からはパソコンやネットワーク、Webの普及によって、教材の提供だけでなく、講義や課題提出、学習履歴の管理までをネットワーク経由で行う仕組みも提供されるようになった。教材の配信もCDやDVDなどの記録メディアからWebサーバなどによるオンライン提供が中心となった。
現在では、こうしたコンピュータや通信ネットワークを活用した教育全般を指す言葉として「eラーニング」が定着しており、「CAI」は歴史的な用語として扱われることが多い。AIを用いた「アダプティブラーニング」(適応型学習)など学習者の理解度に応じて内容を変える仕組みや、教育と先進的な情報技術・サービスを融合した「EdTech」(エドテック)など新たな概念も登場している。