Amazon FSx
概要

社内ネットワーク上のファイルサーバのような機能をクラウド上に構築して利用できるサービスである。仮想サーバやコンテナ環境などからネットワーク経由で接続する仕組みで、既存のファイル共有の仕組みや業務アプリケーションを大きく変更せずに移行できる。
用途やアプリケーションの要件に応じて4種類のファイルシステムから選べる。Windows環境向けの「FSx for Windows File Server」、機械学習や高性能コンピューティング向けの「FSx for Lustre」、米ネットアップ(NetApp)社の「ONTAP」を利用する「FSx for NetApp ONTAP」、オープンソースの「OpenZFS」を利用する「FSx for OpenZFS」があり、それぞれ対応するプロトコルや性能が異なる。
ファイルシステムの容量や性能は設定によって変更でき、利用状況に応じて拡張することも可能である。ハードウェアの調達やセットアップなどの構築作業、パッチ適用やバックアップといった保守業務はAWS側が自動で行うため、利用者はインフラの維持管理に労力を割かず、データの保存や共有に専念できる。初期投資を抑えて小規模な環境から始め、利用規模の拡大に合わせて拡張していく運用も可能である。
運用面では、複数のアベイラビリティーゾーン(AZ)にまたがってデータを自動的に複製することで、機器の故障からデータを守る仕組みが整えられており、障害発生時には自動的にサーバが切り替わる。セキュリティ面では保存データの自動暗号化や通信経路上のデータ暗号化がサポートされ、アクセス権限の管理機能も備わっている。
企業などがすでに運用している社内ネットワークと、クラウド上のファイルシステムを専用線などで相互接続することも可能である。既存のファイルサーバからデータを移行したり、オンプレミスとクラウドででデータを同期して災害対策用のバックアップ拠点として利用することも簡単な設定で実現できる。科学技術計算や動画編集といった一時的に高い性能が求められる業務から、日常的な社内文書の保管まで、様々な用途で利用されている。