AlmaLinux
概要

AlmaLinuxは、従来から業務用として人気の高いRHELとの互換性を重視して設計されており、RHEL向けのソフトウェアや運用ノウハウをほぼそのまま活用できる。パッケージ管理やシステム設定の方法もRHELとほぼ共通しているため、RHEL向けに整備された手順書や設定ファイルをそのまま流用しやすい。
新機能の追加よりも安定性と継続運用を重視した設計となっており、業務システムやWebサーバ、データベースサーバ、仮想化基盤など様々な用途で利用されている。サポート期間はRHELのメジャーバージョンに準じており、長期間にわたってセキュリティ修正や機能更新を受け取ることができる。
AlmaLinuxが登場した背景には「CentOS」の提供終了がある。CentOSはRHEL互換の無償ディストリビューションとして法人向けLinux市場で広く使われてきたが、開発方針の転換により2021年末に従来形式での提供が終了した。これを受け、CentOSの代替環境を求める利用者向けに米クラウドリナックス(CloudLinux)社が資金と開発リソースを提供してAlmaLinuxの開発プロジェクトを立ち上げた。現在は非営利団体AlmaLinux OS Foundationを中心とするコミュニティ主体で開発が進められており、ソースコードや開発方針は公開されている。
当初はRHELと完全に同じ動作をするクローンOSとして開発されていたが、2023年にRed HatがRHELのソースコードの公開範囲を制限する方針を打ち出したことで状況が変わった。これを受け、AlmaLinuxは完全なバイナリ互換からABI(Application Binary Interface)互換を確保する方針へと転換した。
この方式では、ソースコードの完全一致ではなくアプリケーションが同様に動作することを保証するため、RHEL向けの商用アプリケーションやセキュリティ製品を引き続き問題なく動作させることができる。主要なクラウドサービスや仮想マシン環境向けのイメージも提供されており、既存のCentOS環境から移行するためのツールも整備されている。