Administratorアカウント
概要

Windowsのアカウントは主に管理者アカウント(Administratorsグループ)と一般利用者アカウント(Usersグループ)に分かれる。Administratorアカウントは管理者アカウントの中でもWindowsに元から備わる唯一の組み込みアカウントで、利用者が新規に作成する管理者アカウントとは区別される特殊な存在である。
現在のWindowsでは、初回セットアップ時に利用者が作成するアカウントは管理者としてAdministratorsグループのメンバーとして登録される。このグループに属する一般的な管理者アカウントは通常権限で動作し、必要な場面でのみ管理者権限へ昇格する仕組みになっている。これに対し組み込みのAdministratorアカウントは、この昇格の仕組みを経ずに最初から最高権限で動作する。
Windowsではシステムへの不正な変更を防ぐため、「ユーザーアカウント制御」(UAC:User Account Control)という機能が導入されている。管理者権限が必要な操作を実行しようとすると確認画面が表示され、利用者が承認して初めて処理が進む仕組みである。組み込みのAdministratorアカウントは既定でこの確認画面の対象外とされており、確認なしに管理者権限でプログラムを実行できるため、誤操作やマルウェアの影響を受けやすい。
こうした事情から、Windows Vista以降の組み込みAdministratorアカウントはセキュリティ上の理由から既定で無効化されており、Windows 10やWindows 11、Windows Serverシリーズでも通常は画面上に表示されない。利用が想定される場面は、ログイン障害の復旧や特定の保守作業など限られた状況である。アカウント名を変更しても内部では固定の識別子が割り当てられており、システムはこの識別子によって組み込みアカウントであることを認識する仕組みになっている。