読み方 : エーエスアール

ASR【Attack Surface Reduction】アタックサーフェスリダクション/攻撃面の縮小

概要

ASRとは、コンピュータシステムネットワークにおいて、サイバー攻撃の足がかりとなり得る経路や機能をあらかじめ制限・削減し、攻撃が成立しにくい状態を作るセキュリティ対策の考え方および手法のこと。
ASRのイメージ画像

システムに対する侵入や悪用の糸口となり得る要素を総称して「攻撃対象領域」(アタックサーフェス)という。開放されたネットワークポート、稼働中のサービス、インストール済みのソフトウェア、過剰なアカウント権限、設定の不備などがこれに当たる。

ASRはこの攻撃対象領域を意図的に狭めるアプローチである。不要なポートやサービスの無効化、使用していないソフトウェアの削除、利用者権限の最小化パッチ適用による既知の脆弱性の解消、内部ネットワークセグメント分割などが具体的な手段として挙げられる。

攻撃対象となりやすい機能として、メール添付ファイルから起動されるプログラム、文書ファイルに埋め込まれたマクロスクリプト、正規の管理ツールの不正利用などがある。ASRではこうした脅威に対して、Office文書から子プロセスを起動できないようにする、信頼されていない場所からのスクリプト実行を拒否するといった対策を行う。これらの機能は業務でも使用される一方、攻撃者に悪用されやすいため、危険な動作のみを禁止する形で制限が加えられることが多い。

従来のマルウェア対策などは既知の不正プログラムを識別して検出する方式が中心であったが、正規の機能だけを組み合わせて侵入や情報窃取を行う攻撃にはシグネチャベースの検知が効きにくい。ASRは攻撃に必要な動作そのものを制限するため、未知の脅威に対しても一定の効果が期待でき、検知に依存しない予防的な防御策として位置づけられる。エンドポイント保護製品(EPP:Endpoint Protection Platform)やオペレーティングシステム(OS)のセキュリティ機能の一部としても提供されており、他の防御機能と組み合わせて運用される。

(2026.6.27更新)
 
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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