ANONYMOUS LOGON
概要

ファイルや共有フォルダ、ネットワークサービスへのアクセスでは通常、利用者の認証が行われるが、認証を伴わない接続を受け付ける設定では、利用者はANONYMOUS LOGONとして扱われる。この識別子にはパスワードやプロファイルは存在せず、SIDは「S-1-5-7」というあらかじめ定義された値が割り当てられている。
セキュリティイベントログではアカウント名「ANONYMOUS LOGON」、ドメイン名「NT AUTHORITY」、ログオン種別「3」として記録される。ドメインネットワークでこの記録が見られるのは一般的な状況であり、内部システムが共有リソースへ資格情報なしでアクセスする場合や、パスワード有効期限が切れたアカウントが認証前に変更処理を試みる場合などに発生する。
かつてのWindowsでは、この匿名ログオンに対してアカウント名の一覧や共有フォルダ情報などシステム情報への広範な参照権限が既定で与えられており、外部の第三者がネットワーク越しにこれらの情報を探索できる状態にあったため、セキュリティ上の脆弱性として問題視されることが多かった。Windows Server 2003以降は、Everyoneグループの既定メンバーからANONYMOUS LOGONが除外され、Everyoneに与えられた権限が匿名利用者へ自動的に及ばない構成に変更されている。
このアカウントは通常のユーザーのように管理者がパスワードを変更したり削除したりすることはできない。ネットワークを介した不正アクセスの足がかりにされやすいため、企業のシステム運用ではグループポリシーを用いてSAMアカウントの匿名列挙を禁止したり、NULLセッションパイプを制限したりする設定によって、匿名接続の範囲を絞り込んだり、完全に禁止する対応が取られる場合がある。現在のWindowsでは、既定の状態でこの識別子に割り当てられる権限は厳しく制限されており、許可されたごく一部の認証用システムプロセスを除き、一般のファイル共有や管理情報へのアクセスは遮断される仕様となっている。