読み方 : エーアイじぎょうしゃガイドライン

AI事業者ガイドライン

AI事業者ガイドラインとは?

人工知能AI)の開発・提供・利用に関わる事業者向けに、取り組むべき指針と基本理念を示したガイドライン。総務省と経済産業省が共同で策定し、2024年4月に初版を公表した。
AI事業者ガイドラインのイメージ画像

対象はAIに関わる事業者全般であり、ガイドラインでは主体を「AI開発者」「AI提供者」「AI利用者」の3つに分類している。AI提供者とはAIシステムをアプリケーションやサービスに組み込んで提供する事業者、AI利用者とは事業活動においてAIを活用する事業者を指す。立場ごとに求められる対応は異なり、開発者にはデータ前処理や評価、提供者には利用条件の明示と情報提供、利用者には入力データや利用範囲の統制などが示されている。

内容は本編と別添に分かれている。本編では「どのような社会を目指すか(基本理念)」と「何に取り組むか(指針)」を示し、別添では具体的な実践方法を解説している。共通の指針として、人間中心、透明性、アカウンタビリティ、安全性、公平性などが掲げられ、各主体が共通の考え方に基づいてAIを活用できるよう構成されている。対象となるAI生成AIに限定されず、業務システムや分析システムなど様々なAI応用システムを含む。

法的拘束力はなく、事業者が自主的に取り組む指針として位置づけられている。目的はAIがもたらす社会的リスクの低減と、イノベーションや利活用促進の両立であり、プライバシー侵害、著作権侵害、偏見や差別の助長といったリスクへの対応も求められる。事業者調査では認知度79%、実際に活用した割合は40%と報告されている。

策定の背景には、複数の個別ガイドラインの統合と国際的なガバナンスとの整合化がある。以前は「国際的な議論のためのAI開発ガイドライン案」(2017年/総務省)、「AI利活用ガイドライン」(2019年/総務省)、「AI原則実践のためのガバナンス・ガイドライン」(2022年/経済産業省)が個別に策定・運用されていたが、生成AIの普及などによって包括的な指針の必要性が高まり、一本化された。G7による広島AIプロセスやEUのAI法など国際的な動向も参照しながら改訂が続けられており、2026年3月には第1.2版が発行された。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。